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講演・対談
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2005年(平成17年)
対談 預金は、定額保護が本来の姿

対談 預金は、定額保護が本来の姿
自由闊達な金融商品の選択と自己責任が、国際競争力を高め、豊かな社会を創造
ペイオフはなぜ段階的に解禁されてきたか
増永 17年4月からのペイオフの解禁拡大ですが、これまで段階的に解禁されてきましたね。この辺りの事情や考え方について教えてください。
永田 ペイオフの解禁というのは、もしも金融機関が破綻した場合、金融機関が預金保険機構に積み立てた保険料で預金者に定額の払い戻しを行う制度です。
預金保険機構が設立された昭和46年当時は、破綻など周囲を見回してもどこにもないという状態でした。ですから設立時点では、だんだん自由化が進んでいく中で保険事故は起こり得るという将来に備えたものだったのです。
図3上段にあるとおり、当時は一金融機関一預金者、当座預金、普通預金、定期預金全部含めて元本100万円までの定額保護でした。昭和49年に元本300万円、そして日本経済が順調に成長して一人あたりの預金額が大きくなってきましたので、昭和61年、元本1000万円までの定額保護となりました。
しかし平成8年6月から非常事態ということで、全額保護の状態に入りました。
何故その時に全額保護だったのか。本来、ペイオフは定額保護ですから、他の国の場合にはかなり危機的な金融状況にあっても、定額保護のまま対応することが多いのです。しかし日本の場合は全額保護にしました。
この理由は三つ挙げられます。
一つは金融決済システムが経済のインフラストラクチュアとして非常に大事であるにもかかわらず、脆弱であると考えられたことです。
もう一つは、当時は預金者に自己責任を問うには、金融機関のディスクロージャーがまだ不十分であると考えられたことです。
そしてもう一つは、目の前で金融機関が不良債権を相当抱え込んで、信用不安を増勢しやすい状況にあるという心理的側面でした。
そこで平成12年度末までの5年間、定額保護から全額保護へ非常時として移すと決定されたのです(図3下段左)。
その後も金融不安が続いたため、平成11年12月に金融審議会や政府全体で検討して、預金保険法を改正して特例措置を一年延長して13年度末までにすると決められました(図3下段中央)。
しかしその中で、当座預金と普通預金等、いわゆる流動性預金は15年3月末まで全額保護となり、その後、これが2年間延長され、17年3月末まで全額保護を継続するということになりました。
ですから定期預金に関しては14年度から1000万円までとその利息の定額保護に移ったわけです。

